物霊鑑定
未練のこもった絵画
こちらの相談をお寄せくださったのは、東京都にお住まいの佐川さんとおっしゃる女性の方です。ご主人を亡くされ、娘さんも嫁いで行き、郊外にある広い一軒家に愛犬と共に一人でお住まいです。ご主人が不動産関係のお仕事で大きな財産を遺したため、生活に苦しむこともなく、むしろ困っている人を助けるボランティア精神にあふれた方です。
さてこの佐川さんの元に、知人を通じてお金を貸してほしいと連絡がありました。その知人とは二十年来の知り合いですので、その人が保証するなら、と快くお金を貸したそうです。しかし先方もただで借りるのは気が引けたようで、担保として一枚の絵画を置いて行ったそうです。この絵画が今回の霊視鑑定のご依頼の品でした。
芸術に興味の無い佐川さんでしたが、絵から受ける印象はとても良かったと言います。女性とも男性ともとれる人物が、生への渇望を叫んでいるような迫力に満ち、大胆な色遣いが見る者を圧倒します。佐川さんはこの絵を、多くの来客が鑑賞できるよう玄関に飾っていたということです。
異変はほどなく起きたそうです。佐川さんも愛犬も寝静まった深夜、玄関でドスンとなにかが落ちたような音がしたそうです。戸締りの再確認を兼ねて、玄関に行ってもなんの変化もありません。
しかし再度床に就いて少しした後、今度は金属がぶつかり合うようなガチャガチャといった音がしたそうです。今度は愛犬も一緒に付いてきたそうで、玄関へ入るや否や、絵画に向かって唸り始めたそうです。
佐川さんが見ても、絵画にはなんの変化もありません。しかし愛犬は、けたたましく吠えるのを止めようとはしません。佐川さんがこのことを娘さんに話したことで、娘さんから電話鑑定慈念を薦められたとお電話いただくこととなりました。
霊能者による霊視結果
こんにちは。慈念の霊能者「文子」と申します。今回の鑑定を担当させていただきます。さっそく、同封されていた絵画を写した写真を拝見いたしました。なるほど、確かにこの絵画には霊体が宿っていましたね。絵画本体を直接見なくても、そこに宿る思念や霊体の存在を遠隔で感じ取ることができます。
さてこの絵画に宿っていたのは、若い男性の霊体。すでにこの世にはいらっしゃらない方のようですから、生き霊ではありません。まずご安心していただきたいのは、佐川さんへ悪意を持っていたり傷付けたりする意思のない霊体だということです。
今回の鑑定結果は、豊田さんにとってはとても悲しい結果と言えます。ですが真実を語るのが、霊視を担当した霊能者としての務めと考え、すべてをお話し致しましょう。思念が語るところによると、自分は豊田さんの結婚相手と以前お付き合いしていた女性であるとのことでした。彼の会社と取り引きのあった会社のご令嬢で、彼とは結婚の約束を交わしたそうです。ご本人は会社のことは関係なく、彼のことを深く愛していたと言い、彼もまたたとえ会社がどうなろうともこの愛は真実であると彼女に語ったと言います。しかし現実はそうではなかったようです。
今回、私の方で遠隔波動修正を行なって、霊体を鎮めておきましたので、先日経験されたような深夜のラップ音などはこの先起こることはありません。この絵画に宿っていた男性の霊体は、悪意ではなく未練を残していたのです。芸術家として世に出ることもなく、無名の一作家として終わった自分の人生を悔い、強い思念が絵画に宿ったものでした。
恨みの思念がなかったのでこの先も危険性はありませんでしたが、それでもご不安でしたら、元の所有者へ戻すかお近くで供養を行なっている寺社にお持ちよりくださっても良いでしょう。